ハゲと言えば、40代以降の男性に多いイメージを持つ方もいるでしょう。しかし、実際には20代や30代などでハゲる場合もあるのです。若ハゲに定義はありませんが、一般的に20～30代など比較的若い年齢でハゲることを指します。

若ハゲが気になった場合は、どうすればいいのでしょうか。若ハゲの原因から予防法まで詳しく解説します。

◆若ハゲの原因

若ハゲといっても、「AGA」や「生活習慣の乱れによる薄毛」、「何らかの病気による薄毛」などさまざまな種類があります。それぞれ、どのような原因で起こるのか詳しくみていきましょう。

AGA

AGAとは、男性型脱毛症とも呼ばれる薄毛の原因です。AGAのメカニズムを詳しくみていきましょう。

1. 男性ホルモンのテストステロンと頭皮にある5αリダクターゼII型が結合してジヒドロテストステロンが生成される
2. ジヒドロテストステロンが髪の生成に関わる毛乳頭細胞のアンドロゲン受容体に取り込まれる
3. 脱毛を引き起こすシグナルが発信され、髪の成長が阻害される

このように、AGAは男性ホルモンによって引き起こされるため、生活習慣の改善では解消できません。クリニックで、ジヒドロテストステロンの生成を阻害する薬を処方してもらう必要があります。

生活習慣の乱れ

睡眠不足や栄養不足、運動不足、ストレス、喫煙、アルコールの大量摂取など生活習慣の乱れは、次のような形で若ハゲのリスクを高めます。

睡眠不足

成長ホルモンの分泌に支障をきたし、髪の生成に悪影響が及びます。

栄養不足

髪の生成に必要なタンパク質やビタミン、ミネラルなどが不足し若ハゲになります。

運動不足

頭皮への血流が低下して栄養をうまく運べなくなります。

ストレス

血管を収縮させて頭皮への血流を低下させます。

アルコールの大量摂取

髪の生成に必要な亜鉛を大きく消費して若ハゲのリスクを高めます。

夜ふかし、コンビニ食や外食、座りっぱなしのデスクワーク、人間関係のトラブル、アルコール依存などに心当たりがある方は注意が必要です。

薄毛を招く何らかの病気

若ハゲは、AGAや生活習慣の乱れの他にも、さまざまな原因で起こります。これらの病気で起きた薄毛は、正しくは若ハゲとは呼びませんが、結果的に薄毛になるため覚えておいた方がいいでしょう。

円形脱毛症

円形に脱毛したり、髪全体の髪が抜け落ちたりします。原因は詳しくわかっていません。特効薬などは見つかっておらず、クリニックによって治療法が異なります。

ひこう性脱毛症

フケやかゆみによって頭皮環境が乱れ、抜け毛が増える病気です。炎症を抑えるステロイド外用薬や皮脂の分泌を抑える外用薬などを使用します。

脂漏性脱毛症

頭皮に炎症が起こり、悪化することで抜け毛が増えた状態です。原因には、遺伝要因や環境要因、ストレスなどが複雑に絡み合っています。また、皮脂をエサにしてマラセチア菌が増えることも要因の1つです。治療では、ステロイド外用薬や抗真菌外用薬などを使用します。

このような病気による若ハゲは、治療を受けることで改善が期待できます。

◆若ハゲの予防法

それでは、若ハゲを予防するには、普段からどのようなことに注意すればいいのか詳しくみていきましょう。

AGAの予防法

AGAは、男性ホルモンに起因して起こる薄毛のため、予防法は存在しません。AGA治療薬を服用しておくことで予防効果が期待できますが、若ハゲが気になっていない状態で服用するものではないのです。

若ハゲが気になった時点で治療を開始することで、進行を抑えて広範囲の薄毛を予防できます。また、AGAには遺伝性があるため、遺伝子治療などが発展していない現代では、完全に防ぐことはできません。

生活習慣の乱れによる若ハゲの予防法

生活習慣の乱れによる若ハゲは、規則正しい生活を習慣づけることで予防できるでしょう。1日最低6時間は寝る、24時までには寝るなど、夜ふかしと短時間睡眠を避けることが大切です。また、睡眠の質を高めるために、寝る前にスマホを見ることを避け、読書などをして過ごしましょう。

食事では、タンパク質やビタミン、ミネラルなどを十分に摂るために、肉類や大豆類、野菜、果物、きのこ類などをバランスよく食べることが大切です。そのほか、適度な運動、喫煙・飲酒を控える、ストレスを解消させるなどしましょう。

頭皮環境が関連する若ハゲの予防法

円形脱毛症の予防法は確立されていませんが、ひこう性脱毛症や脂漏性脱毛症など頭皮環境の乱れが原因の薄毛は、普段のシャンプーやヘアケア習慣を見直すことで予防できる可能性があります。

頭皮の乾燥や皮脂でべたべたしている状態を防ぎましょう。正しい方法でシャンプーをしたり、自分に合ったシャンプーを使ったりすることが大切です。洗いあがりに頭皮がカサついたりつっぱったりする場合は、頭皮の健康を守るために必要な皮脂まで洗い流している恐れがあります。

洗浄力が抑えられているアミノ酸系シャンプーや石けん系シャンプーを試してみましょう。また、次のような方法で正しくシャンプーしてください。

1. ぬるま湯で頭皮までしっかり濡らす
   熱い湯で洗うとスッキリしますが、必要な皮脂まで落としてしまうため、ぬるま湯で予洗いしましょう。
2. シャンプーを泡立てる
   シャンプーをそのままつけると、頭皮に刺激が及びます。しっかり泡立ててから頭皮と髪につけましょう。
3. 指の腹で優しく洗う
   爪を立ててゴシゴシ洗うと、頭皮が傷ついてしまいます。指の腹でマッサージするように洗いましょう。
4. 丁寧に洗い流す
   シャンプーが残らないように、丁寧に洗い流しましょう。耳の後ろや前髪の生え際は、泡が残りやすいため、入念に洗い流してください。

◆若ハゲのセルフチェック方法

若ハゲのうち、AGAによるものは、前髪の生え際か頭頂部、またはその両方が薄くなっていきます。前髪の生え際は鏡で確認して、頭頂部は合わせ鏡を使ったり、人に見てもらったりしましょう。

また、普段よりも抜け毛が増えてきた場合も若ハゲになっている可能性があります。1日100本程度は自然に抜けますが、それ以上抜けているように感じた場合は注意が必要です。

◆早めにクリニックを受診して改善を目指そう

若ハゲに気づいたら、できるだけ早くクリニックを受診して、治療を受けることをおすすめします。AGAの場合、早く治療を始めることで薄毛の進行を抑えられるため、コンプレックスになることを未然に防げるでしょう。

生活習慣の乱れによる若ハゲについても、具体的なアドバイスを受けられたり、AGAの可能性を確認できたりします。

◆まとめ

若ハゲになると、若くして髪が薄いことを恥ずかしく感じてしまう場合があります。できるだけ早く治療を開始することで、若ハゲによるストレスを抑えられるでしょう。自分では、何が原因で若ハゲになっているか判断が難しいため、まずはクリニックを受診することが大切です。AGA治療にご関心のある方はぜひ当院にお気軽にご相談ください。