薄毛には、○○の食べ物がいい。頭皮マッサージで髪が生える。など、様々な俗説があります。嘘の情報と正しい情報があるため、正しい情報だけを知っておくことが大切です。嘘の情報に惑わされると、薄毛に適切に対処できず、進行させてしまう可能性があります。ここでは、薄毛に関するウワサを紹介するとともに、それが嘘か本当なのか徹底解説していきます。
本当です。
男性の薄毛のほとんどは、男性型脱毛症(AGA)ですが、これは男性ホルモンのテストステロンが頭皮の5αリダクターゼ2型と結合し、ジヒドロテストステロンに変化することで引き起こされます。
この5αリダクターゼの活動量に遺伝が関係しているといわれているのです。また、ジヒドロテストステロンを感知するアンドロゲンレセプターの感受性にも遺伝が関係しています。
薄毛遺伝子のほとんどは、母親から受け継がれるため、母親やその父親が薄毛の場合は、子供に薄毛遺伝子が受け継がれます。ただし、父親側からも薄毛に関係する遺伝子が受け継がれるため、母方の家系に薄毛の人がいないからといって、必ずしも薄毛にならないとは限りません。
また、薄毛の要因は遺伝子だけではなく、食生活の乱れや睡眠不足、喫煙、運動不足、間違った頭皮ケアなども関係しています。そのため、両親が薄毛ではないからといって、子供が薄毛にならないとは限りません。
そのため、薄毛が気になった際には、自分は薄毛にならないと思い込まず、早めにクリニックを受診することが大切です。
フサフサになるかに着目した場合、嘘と言えます。そもそも、わかめが髪にいいといわれているのは、髪の生成に必要なミネラルが豊富に含まれているためです。ここで覚えておきたいのは、ミネラルはあくまで髪の生成に必要な成分に過ぎないことです。
つまり、わかめに髪を生やす効果はありません。また、ミネラルの他にも、タンパク質やビタミンなども髪の生成に必要なため、わかめばかり食べても髪は健康にならないのです。様々な栄養をバランスよく摂ることで、健やかな髪を保てるようになります。
もちろん、ミネラルが不足している人がわかめを積極的に摂れば、髪質の改善などが期待できます。普段から、海藻類や貝類などをあまり食べない方は、サプリで補うのもひとつの手段です。自分の食生活に注目し、不足している栄養を見極めましょう。
頭皮マッサージで髪は生えてきませんが、薄毛予防には役立ちます。毛根にある毛乳頭が血管から栄養や酸素を受け取り、発毛のための細胞分裂シグナルを毛母細胞に発信することで、髪が生成されます。
そのため、十分な栄養や酸素が毛乳頭に届けられることが髪の生成において重要なのです。どれだけ栄養をしっかり摂っていても、頭皮の血流が悪いと、十分な酸素や栄養を毛乳頭に届けられません。
頭皮マッサージで頭皮の血行を促すことで、これまで届かなかった酸素や栄養が十分に届くようになれば、髪質の改善を実感できる可能性があります。髪を生やすほどの効果はないと考えられるため、頭皮マッサージにこだわりすぎないようにしましょう。
また、爪を立てたり、ゴシゴシと摩擦したりすると、頭皮が傷ついて発毛に悪影響を及ぼす恐れがあります。指の腹で、気持ちいいと感じる程度の力加減でマッサージしましょう。同様に、クシでトントンと叩くことも有効ですが、強く叩くと頭皮が傷つくため、優しい力使いでケアしてください。
育毛剤で、髪が生えてくる可能性はほとんどありません。育毛剤は、髪を生やすことではなく、髪を育てることが目的です。髪に必要な栄養、頭皮にうるおいを与える保湿剤などが含まれており、頭皮環境を整えてくれます。
頭皮環境の乱れは、薄毛の要因のひとつですが、育毛剤で頭皮環境を整えただけで髪が生えてくる可能性は低いのです。あくまでも、薄毛治療ではなくケアとして取り入れることが大切です。
また、頭皮に直接つけるため、成分によっては赤みやかゆみなどの副作用が起こります。様々な育毛剤が販売されているため、信頼できる企業が販売しているものを選びましょう。
また、薄毛対策として頭皮ケアをするのであれば、大正製薬から販売されているリアップシリーズなどを使用してください。発毛を目的としているため、継続的に使用することで薄毛が改善する可能性があります。
シリコンと言えば、毛穴に詰まるイメージを持つ方が多いのですが、これは真実ではありません。
シリコンは、髪をコーティングすることでツヤを演出し、なめらかな髪を作る成分ですが、シリコンは網目状であるため、毛穴に詰まることはあり得ないのです。
シャンプーによって頭皮環境が乱れた際には、シリコン入りシャンプーを使用していることが原因と思いがちですが、実際には洗浄力が強すぎるシャンプーを使用していることが原因の可能性があります。
シャンプーには、水と油を混ざりやすくする界面活性剤が含まれています。強力な界面活性剤は、頭皮の水分の蒸発を防ぐ皮脂を落としすぎてしまいます。その結果、頭皮が乾燥し、発毛環境が乱れて薄毛に繋がるのです。
シャンプーを選ぶときは、シリコンの有無ではなく、シャンプーの系統に注目しましょう。高級アルコール系シャンプーは洗浄力が強いため、アミノ酸系シャンプーを試してみてください。どのシャンプーが合うかは、個々で異なるため、色々試して自分に合ったシャンプーを見つけましょう。
生まれつき髪が細いのであれば、薄毛になりやすいわけではありません。しかし、次第に細い髪が増えてきたのであれば、薄毛の前兆の可能性があります。AGAでは、ジヒドロテストステロンの影響で、髪の成長サイクルが乱れます。
髪が成長しきる前に抜け落ちてしまうため、細くて短い髪が目立つようになるのです。細くて短い髪が増えることで、その部分が薄くなります。細くて短い髪が増えたと感じた場合は、早めにクリニックを受診することが大切です。
早い段階で診断を受け、治療を始めることで、薄毛の悩みを解消できる可能性があります。男性型脱毛症は、生活習慣の改善や頭皮マッサージなどでは解消できないため、薄毛が気になった場合はできるだけ早くクリニックを受診しましょう。
薄毛にまつわる情報は、世の中に溢れています。中には、医学的根拠のない信ぴょう性が低い情報もあります。そのような情報に惑わされ、間違った薄毛ケアを続けた結果、男性型脱毛症が進行して悩みが深くなる可能性があるのです。今回、ご紹介したウワサの真実を踏まえ、適切に対処していきましょう。