頭皮が蒸れると、薄毛の原因になると聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。蒸れた状態では、さまざまな頭皮トラブルが起こる可能性があります。頭皮は健康な髪を生やすための土台です。適切に頭皮に蒸れを対策して、健康な状態をキープしましょう。ここでは、頭皮の蒸れと薄毛の関係や蒸れたときの症状、夏場の蒸れ対策について詳しくご紹介します。
頭皮が蒸れると薄毛のリスクが高まるといわれています。これは、頭皮の蒸れによって常在菌が繁殖しやすくなり、頭皮トラブルに繋がるためです。頭皮トラブルが起きたら即薄毛になるわけではありませんが、問題を放置すると毛穴にまで炎症が起きて発毛を阻害する可能性があります。
常在菌は、普段は肌の調子を整えるように働いていますが、蒸れによって繁殖すると過酸化脂質が増えて炎症が起こるのです。
それでは、頭皮が蒸れたときに起こり得る症状について詳しくみていきましょう。
頭皮に炎症が起こると、赤みが現れます。友人や家族に頭皮が赤くなっていないかチェックしてもらいましょう。
炎症に伴ってかゆみが起こる場合があります。かゆいからといって爪を立ててかきむしると、さらに炎症が強くなります。また、頭皮が傷ついて雑菌が侵入し、化膿する恐れもあるでしょう。
炎症が起きているところに雑菌が入ると、痛みを感じる場合があります。また、かきむしったことで傷ができたときも痛みを感じます。シャンプーやリンス、コンディショナーなどがしみる可能性もあるでしょう。
続いて、頭皮が蒸れる原因を詳しくみていきましょう。
帽子を1日中かぶっていると、常に頭皮が蒸れた状態になります。特に、夏は帽子によって熱が逃げにくくなることで汗をかきやすくなるため、さらに蒸れやすいのです。室内では帽子を脱ぐようにしましょう。
髪の量が多いと、熱が逃げにくくなることで汗をかきやすくなります。また、帽子をかぶっていなくても、帽子をかぶっているような状態になり、どうしても蒸れてしまいます。
汗をかきやすい人は、それだけ頭皮が蒸れやすいでしょう。体質的に汗をかきやすい人のほか、汗をかく頻度が高い方も注意が必要です。営業の外回りや工事現場での仕事、引っ越し作業などでは、冬でも汗をかきます。
入浴後に髪をドライヤーで乾かさない人も頭皮が蒸れやすくなります。寝ている間に雑菌が増えて頭皮トラブルが起こる恐れがあります。また、雑菌が増えるとニオイも強くなるため注意が必要です。
それでは、夏場の頭皮の蒸れ対策について詳しくみていきましょう。
蒸れの原因となる帽子は、できるだけかぶらないことが大切です。どうしても帽子をかぶりたい場合は、通気性がよいメッシュ素材の帽子をかぶりましょう。また、1時間に1回は帽子を脱いで蒸れを防いでください。
汗をかいたら、できるだけ早くふいてください。汗が髪につくと、別の髪に汗が移って、短時間で蒸れてしまいます。
髪の量を減らすことで、頭皮が蒸れにくくなります。男性は、夏はショートカットにしてはいかがでしょうか。また、1ヵ月に1回はカットして髪の量を保つことが大切です。
頭皮に残った汗や皮脂を十分に洗い流して、頭皮トラブルの原因を取り除きましょう。爪を立ててゴシゴシ洗ったり、洗浄力が強すぎるシャンプーで洗ったりすると、頭皮に必要な皮脂まで洗い流してしまいます。
皮脂は、頭皮のバリア機能の役割を果たしているため、適度に残すことが大切です。それでは、正しいシャンプーの方法を詳しくみていきましょう。
(1)ぬるま湯で予洗い
ぬるま湯を使う理由は、熱い湯だと皮脂を過剰に洗い流してしまうためです。
(2)シャンプーを泡立てる
シャンプー液をそのまま頭皮につけると、洗浄力が強すぎることで皮脂を過剰に洗い流してしまいます。
(3)指の腹で丁寧に洗う
爪を立てると頭皮が傷つくため、指の腹で丁寧に洗ってください。
(4)十分にすすぐ
シャンプーの泡が頭皮に残ると刺激を受けてしまいます。耳の後ろや首の後ろ、前髪の生え際など、すすぎ残しやすいところを丁寧にすすぎましょう。
それでは、室内での頭皮の蒸れ対策をみていきましょう。
体温が上がると汗をかくため、室内ではエアコンを使いましょう。エアコンで適切な室温に調節することが大切です。ただし、室温を下げすぎると身体が冷えて頭皮への血流が悪くなり、結果的に薄毛のリスクが高まります。
身体に冷風が当たらないようにして、寒すぎず暑すぎない室温になるように設定してください。
エアコンを使うと湿度が下がります。湿度が下がりすぎると頭皮が乾燥して皮脂が過剰に分泌されるようになります。そのため、自動で湿度を調節してくれるタイプの加湿器を設置することが大切です。
頭皮が蒸れてトラブルが起きたときは、早めに治療を受けることが大切です。また、炎症が毛穴に広がって抜け毛が目立つようになった場合は、早く治療を受けないと薄毛になる恐れがあります。
AGAとは違い、炎症さえ治まれば髪は再び生えてくるでしょう。しかし、頭皮環境が乱れることで髪への栄養の供給が低下する恐れもあります。薄毛を未然に防ぐためにも、頭皮トラブルには早く対処することが大切です。
また、頭皮に炎症が起きていないのに抜け毛が増えた場合は、AGAの可能性があります。AGAは、放置すると薄毛の範囲が広がるため、薄毛が気になった段階で医師の診察を受けましょう。
早く治療を始めることで治療期間の短縮や医療費の削減が期待できます。
頭皮が蒸れると、常在菌が増えて炎症が起こり、結果的に薄毛になる恐れがあります。まずは、頭皮が蒸れないように、帽子をできるだけ被らないようにしたり、入浴後のドライヤーを習慣づけたりしてください。また、室内でも汗をかくことで頭皮が蒸れるので、エアコンと加湿器を併用して、室内環境を整えることが大切です。そして、薄毛が少しでも気になったら、できるだけ早くクリニックを受診しましょう。