「薄毛を改善するために、自分にとって最良の方法を選びたいと思っているものの、育毛や増毛、植毛にどのような違いがあるのかわかっていない方は多いでしょう。
それぞれの違いを把握して、自分にとって最良の方法を選びましょう。今回は、増毛・植毛・育毛の違いについて詳しくご紹介します。
増毛とは、自分の髪に人工の髪を結びつけたり、シートを使って頭皮に人工の髪を繋げたりする方法です。髪の量を人工的に増やすため、増毛と呼ばれています。
それでは、増毛の特徴を詳しくみていきましょう。
増毛の場合、希望のヘアスタイルに合わせて施術してもらえます。できるだけ不自然にならないように施術するだけではなく、可能な限り好みに合わせてスタイリングすることが可能です。育毛や植毛は、ヘアスタイルとは関係なく薄毛にアプローチします。
増毛は、一度人工の髪を天然の髪や頭皮に結びつけると、髪の色を変えることができません。人工の毛にはカラー剤がうまく浸透しないため、うまくヘアカラーできないのです。また、天然の髪が人工の髪に邪魔をされてうまく染まらなくなります。
そのため、ヘアカラーをしたいと考えている方には、増毛は向かないと言えます。ただし、最初から好みのカラーの人工の髪を使えば、髪色を変えることが可能です。その場合は、天然の髪の色と合わせることになります。
ヘアカラー後、次第に色が抜けていくため、やがて天然の髪と人工の髪で色の差が生じるでしょう。
人工の髪は伸びませんが、天然の髪は伸びるため、次第に人工の髪が浮いてきて、違和感のあるヘアスタイルになります。そのため、月に1~2回のメンテナンスが必要です。メンテナンスのために、お店へ通うことが面倒に感じる方もいるでしょう。
植毛には、人工毛植毛と自毛植毛があり、現在では人工毛植毛はほとんど行われていません。自毛植毛は、AGAになりにくい後頭部や側頭部の髪を薄毛の部分に移植します。
どのような特徴があるか詳しくみていきましょう。
自毛植毛は、自分の髪を頭皮ごと移植するため、生着しやすいとされています。生着さえすれば、正常に髪が生えるようになり、増毛のようなメンテナンスも不要です。AGAの悩みを解消できる治療法と言えるでしょう。
ただし、生着しなかった場合は、再び植毛するか、他の治療法や対処法を選ぶことになります。
自毛植毛を行った部位は、新たにAGAになるリスクは低いと言えますが、その周りの部分はこれまで通りAGAによる薄毛のリスクがあります。そのため、AGAと診断を受けている場合は、薬による治療を続けることが大切です。
治療を受けたからといって、AGAを全く気にする必要がなくなるわけではありません。
自毛植毛は自費診療のため、クリニックによって料金が異なります。毛包1つ単位で料金が定められている傾向があり、毛包1つから2~3本の髪が生えています。植毛の量によっては100万円以上もの費用がかかり、他の治療法や対処法よりも高コストです。
そのため、自毛植毛を受けるべきかどうか、医師に相談したうえで慎重に決めることが大切です。
育毛とは、健やかな髪の成長を促すことを指します。髪の成長を促せるような頭皮ケアや生活習慣の改善などは、全て育毛にあたる行為です。どのような特徴があるのか、詳しくみていきましょう。
どのような特徴があるか詳しくみていきましょう。
育毛と言われて最初に思い浮かぶのは、育毛剤を使うことではないでしょうか。頭皮環境を整えることで、髪の成長に適した状況を作るのが育毛剤の役割です。ここで問題なのが、頭皮環境が乱れているために薄毛になっているケースでなければ、育毛の効果を実感しにくいことです。
頭皮環境が乱れているために薄毛になっているのであれば、育毛によって薄毛が改善される可能性があります。頭皮がカサついていたり、湿疹や赤みがあったりする場合は、頭皮環境が乱れていると考えられるでしょう。
また、カビが増殖して起こる脂漏性皮膚炎が進行すると、脂漏性脱毛症になります。炎症が起きている部分の髪が抜けてしまうため、早めの治療が必要です。治療で炎症が治まれば、再び髪が生えてくるため、AGAとは性質が大きく異なります。
薄毛の原因の多くを占めるAGAは、男性ホルモンのテストステロンが変化したジヒドロテストステロンによって引き起こされます。そのため、頭皮環境を整えるだけでは、AGAによる薄毛を防ぐことはできません。
つまり、育毛剤ではAGAを改善できないのです。治ると信じて育毛剤を使い続けた結果、AGAが進行して治療に苦労するようになる可能性があります。
薄毛は、頭皮環境の乱れだけではなく、食生活や睡眠、ストレス、男性ホルモンなど様々な要因が重なって起こるとされています。そのため、頭皮環境の乱れ以外にも対処しなければ、薄毛が改善しない可能性が高いのです。
生活習慣を整えつつ、ストレス解消を心がけましょう。また、クリニックでのAGA治療と並行して、育毛を心がけることも大切です。
クリニックでは、プロペシアやミノキシジルなどによるAGA治療を受けられます。どのような特徴があるのか、詳しくみていきましょう。
プロペシアは、ジヒドロテストステロンの生成に必要な5αリダクターゼ2型を阻害する薬です。結果として、ジヒドロテストステロンの生成を阻害できるため、AGAの進行抑制や改善が期待できます。
また、ミノキシジルは髪の成長期を延長させることで、発毛を促す薬です。このように、クリニックでは身体の仕組みに働きかける薬を処方してもらえるため、薄毛を改善できる可能性があります。
プロペシアやミノキシジルには、副作用があります。全員に副作用が起こるわけではないうえに、どのような薬にも副作用があるため、プロペシアやミノキシジルが問題のある薬という意味ではありません。
副作用が現れた場合は、状況次第では使用を中止し、別の方法を選ぶことになります。このように、治療を始めたものの中止を余儀なくされる可能性があることを覚えておきましょう。
薄毛が気になる場合は、増毛や植毛、育毛、クリニックでの薄毛治療などを比べたうえで、自分に合った方法を選ぶことが大切です。薄毛の中でもAGAは、クリニックで治療を受けなければ改善が期待できません。そのため、まずはクリニックを受診してAGAの診断を受けたうえで、最適な治療法を医師と一緒に決めることが大切です。
AGAは放置すると進行するため、薄毛が気になった場合は早めに医師に相談しましょう。