「頭皮がかゆくて仕方がない」、「かくと毛が抜けるから薄毛にならないか心配」といった方は多いのではないでしょうか。頭皮はとてもデリケートなため、かゆくなるのは不思議なことではありません。結論から言うと、頭皮がかゆいからといって、薄毛になることはないのでご安心ください。
ただ、頭皮環境が乱れている可能性があるため、そのまま放置すると結果的に薄毛になるかもしれません。そこで今回は、頭皮のかゆみの原因から改善方法まで詳しく解説していきます。
頭皮のかゆみの原因はさまざまです。原因を突き止めて正しく対処すれば、かゆみはなくなるでしょう。それでは、頭皮がかゆくなる原因をひとつずつ詳しくご紹介します。
頭皮が乾燥すると、カサカサしてかゆくなる場合があります。頭皮の乾燥の原因は次のとおりです。
・冬など湿度が低い季節
・エアコンで湿度が低い部屋にいる
・加齢による頭皮の老化
・洗浄力が強すぎるシャンプーをしている
・1日に何度もシャンプーをしている
・薄毛が気になって頭皮を頻繁に触る
このように、頭皮が乾燥する原因はさまざまです。どれか1つでも心当たりがある方は、習慣を見直しましょう。
頻繁にパーマやカラーをしている方は、頭皮が大きなダメージを受けている可能性があります。ダメージが大きいと、頭皮に炎症が起きてかゆくなる場合があるのです。パーマやカラーをしない期間を長くとるなど、健やかな頭皮を保ちましょう。
1日の終わりにシャンプーをして、髪や頭皮についたホコリや皮脂汚れ、化学物質などを取り除くことが頭皮環境を保つポイントです。しかし、頭皮環境を保つはずのシャンプーにかゆみの原因があるケースが少なくありません。シャンプー成分が頭皮に残っており、しっかり落とせていない場合は、頭皮に刺激を与えてかゆみを引き起こします。
また、雑菌がシャンプー成分を栄養にして増殖し、かゆみを引き起こすこともあるのです。
整髪料が頭皮に刺激を与えている場合もあるため、整髪料をつけた日だけ頭皮がかゆくなる場合は、自分に合ったものに替えましょう。また、油分が多いタイプのワックスは、シャンプーで洗い流すことが難しく、頭皮に残って刺激を及ぼしやいというデメリットがあります。
しっかり落とそうとして何度もシャンプーをした結果、頭皮の必要な皮脂まで洗い流して乾燥を招くことも予想されます。油分と水分のバランスがいいワックスを使うとともに、洗いすぎないようにしましょう。
頭皮には、黄色ブドウ球菌やマラセチア菌などさまざまな常在菌がいます。普段は雑菌同士がバランスをとって生息しているため、トラブルが起こることはありません。しかし、雑菌のエサとなる皮脂汚れを放置したり、皮脂が過剰に分泌されたりすると、雑菌が異常に増えて炎症を引き起こす可能性があります。
その結果、かゆみやニオイが起こるのです。
花粉やハウスダストなどのアレルゲンが頭皮に触れると、アレルギー症状によるかゆみが起こる場合があります。また、頭皮がかゆいからといって爪でガリガリと掻くと、小さな傷ができて、そこからアレルゲンが侵入する恐れもあるのです。
そうなると、さらに強い炎症が起こる可能性があります。アレルギー体質の方は、花粉が多い日は帽子を被る、毎日シャンプーをするなどして対策しましょう。
水虫と言えば、足にできるものというイメージを持っている方が多いのではないでしょうか。実は、水虫の原因となる白癬菌が感染した部位によって呼び方が異なり、手や股間、身体、頭皮などさまざまなところに感染するのです。
頭皮に感染した場合は、「しらくも」や「頭部白癬」と呼ばれます。白癬菌による感染症の治療薬はあるものの、治療には時間がかかります。また、かゆみの他に痛みをともなう水疱ができる場合もあるなど、やっかいな病気です。
できるだけ早く治すためにも、しらくもが疑われる場合は早めにクリニックを受診しましょう。
シラミは昆虫の一種で、頭髪に寄生する場合があります。しばしば、幼稚園や保育園で流行するため、子供がシラミに寄生されていると、その家族にもうつる可能性があるのです。シラミは、不潔にしているから寄生するのではないため、具体的な対策法はありません。
シラミの感染に気づいたら、市販されているシラミ駆除剤を使いましょう。
頭皮のかゆみは、原因にあわせて対処が必要です。次のように対処しましょう。
まずは、クリニックで診断を受けることが大切です。頭皮環境が乱れている場合、どのようなケアをすればいいのか、普段の生活で頭皮にNGなことをしていないかなど、さまざまなアドバイスを得られます。
また、かゆみの原因に応じて薬を処方したり、普段からできる対策法を教えてもらえたりもするのです。そのため、かゆみを早く解消したい場合は、クリニックを受診することをおすすめします。
適切な頭皮ケアをすることで、頭皮のかゆみが解消する可能性があります。シャンプーのすすぎ残し、爪を立てたゴシゴシ洗いなどは、頭皮の炎症によるかゆみを引き起こします。シャンプーは、ぬるま湯で丁寧にすすいでしっかり落としましょう。
また、指の腹でマッサージするように洗うことが基本です。頭皮を指の腹で適度に刺激することで血行が促され、酸素や栄養が行き渡りやすくなります。その結果、頭皮が健康に保たれやすくなり、かゆみが起こりにくくなるでしょう。
整髪料など、頭皮に刺激を与える原因を避けることが大切です。オフの日は整髪料をつけないなど、頭皮に少しでも刺激を与えないようにしましょう。また、不要な育毛トニックなどは使用しないことをおすすめします。
育毛トニックは、頭皮環境を整えることで健やかな髪の成長を促すものですが、中には刺激成分が含まれているものもあります。頭皮に合わないケースもあるため、できるだけ使わないようにしましょう。
頭皮の乾燥が気になる方は、原因となる空気の乾燥などに対処しつつ、シンプルな保湿剤でケアすることをおすすめします。
頭皮がかゆいのは、薄毛の前兆ではありません。しかし、頭皮環境が乱れている状態を放置することは、結果的に薄毛に繋がる可能性があるため、早めに対処したいところでしょう。頭皮のかゆみの原因はさまざまです。
まずは、クリニックを受診して原因を突き止め、医師のアドバイスに従ってケアしましょう。早めに対処することで、かゆみの悪化によるストレスや、掻きむしることによる抜け毛を防げます。